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II. 主要業界の動向
III. 当地日系企業の経営課題
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1. 中西部経済の概要
中西部経済は、イラク問題やSARSによる影響が薄れる中、秋頃から徐々に回復に向かっている。需要項目別に見ると、個人消費は、米国全体に比べ緩やかではあるが、減税効果などから順調に拡大しており、年末商戦も前年を上回った。2004年についても、名目賃金の大幅上昇は見込めないものの、物価安定による実質的な増加は期待できることから、堅調に推移するものと見られる。設備投資は、在庫水準が低くなったことから一部企業が能力増強投資に踏み切るなど、今後、力強さを増してくることが予想される。また、ドル安の影響により、輸出は好調を維持している。一方で、住宅建設は、依然として高水準にあるが、供給過剰感から先行き不透明感が増している。州財政は悪化を続けており、公共事業や職員の削減、増税などが検討されている。 2. 中西部経済の主なポイント 年後半から増加に転じた中西部製造業 依然として高いイリノイ州の失業率 中西部の失業率は、2003年を通してほぼ全米平均なもの5.7%~6.1%の範囲で推移したが、1月には大きく改善し、5.5%となった。3月の失業率を州ごとに見ると、製造業のウェイトの大きい五大湖周辺州の失業率は依然として高く、ミシガン州(6.9%)、イリノイ州(6.0%)が全米平均(5.6%)を上回る中で、インディアナ州(5.3%)は全米平均を下回って推移している。イリノイ州の雇用は、州内のほぼ全域で低迷し、多様な産業を有するシカゴ地域も製造業、流通業などを中心に悪化していたが、9月の失業率6.9%をピークに急速に改善してきている。また、雇用者数も増加に転じているが、過去5年間に18万7千人の職が失われたのに対し、今後2年間に新たに生み出される雇用は3万5千人程度との予想もあり、雇用が完全に回復にするまでにはいましばらく時間がかかると考えられる。(表1) 回復傾向にある個人消費 中西部の小売販売は、年間を通して緩やかに拡大した。9月には前年比7.0%の増加となったほか、ホリデーシーズンの消費も、特にクリスマス以降の好調さから前年を上回った。しかし、ディスカウント商品に対する需要が強い一方で、自動車の売上は12月以降減少しており、米国全体に比べると緩やかな増加に留まっている。個人消費の先行きについては、多くの販売業者が楽観的な見方をする中で、3月は前月比1.9%増と大幅に伸びており、年後半以降の本格的回復が期待されている。(表2) 転機を迎える住宅建設 低利の住宅ローン金利と住宅資産価値の向上などから順調に増加してきた住宅建設であるが、不透明感を増しつつある。中西部における新設住宅建設許可件数の推移を見ると、依然として高水準を維持しているものの、2004年2月には前月比で4.8%低下し5ヶ月連続の減少となった。史上最低レベルを続ける住宅ローン金利や将来の金利上昇を見越した需要により下支えされ、3月には同5.0%増となったものの、2004年の住宅ローン開始額が2003年比で半減すると予測されるなど、予断を許さない状況にある。(表3) 厳しい状況にある州財政 民間部門が総じて緩やかな回復に向かう中で、中西部各州の財政は厳しい状況となっており、景気回復に負の影響を与えている。イリノイ州の2003年度の税収は、当初見込みに比べ9.6億ドル減の142億ドルとなった。雇用・企業環境の悪化により、個人所得税、法人税収入が伸び悩むとともに、失業保険や低所得者向け医療保険(メディケイド)の給付が増大しており、州財政は厳しさを増している。一方、2004年度は、消費拡大による売上税の増収を中心に、前年度比2.2億ドル増の144億ドルの税収を見込んでいる。財政の改善に向け、州政府は、職員の採用凍結、大学予算の削減、売上税控除対象の削減など様々な対策をとるとともに、多くの公共事業を凍結した。この結果、トラック業界、保険業界、化学業界が最大の影響を受けると見られており、これらの企業が州外へ移動することが懸念されている。また、2003年7月には、カジノに対する新たな課税措置を導入し、カジノ自体の売上が減少する中で、前年比6千万ドル増の6.2億ドルの税収を確保した。さらに、州政府は税収拡大に向け、新たなカジノの認可や保有施設(トンプソンセンター)の売却を検討している。
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