13. 農業
 

 

中西部・イリノイ州の経済ホーム

 

目次

 

I. 中西部・イリノイ州の経済

 

II. 主要業界の動向

1. 建設機械

2. 工作機械

3. 鉄鋼

4. 電気・電子部品

5. 金融

6. 小売

7. 海運

8. 航空

9. トラック
 
フォワーダ−

10. 建設・不動産

11. 情報

12. 観光

13. 農業

14. 主要企業の動向

 

III. 当地日系企業の経営課題

1. 税務・財務

2. 法務・雇用

 

IV. 中西部の社会・経済指標

 南米ブラジルがその耕地面積を年々拡大している一方で、米国の耕地面積はここ数年ほぼ横ばいである。とは言え、米国は未だ世界最大の農業国の座を維持しており、政府もまた、農業を自国の戦略産業として明確に位置づけている。2003年度時点で米国はコーン・大豆の生産量において世界一であり、それぞれ、世界の42%、33%を生産している。また、コーン・小麦の輸出量においても世界一の座を維持しており、それぞれ、世界の66%、30%のシェアを誇る。そんな農業大国・米国において、イリノイ州はアイオワ州と並んで農業の中心地となっている。
1. 米国の農業の現状

■コーン
 2003年度は、一言で言うと大豊作の年であった。種子の改良と受粉期の天候に恵まれ、史上最高となる2億5,600万トンの生産量を達成した。それにも関らずコーン価格が堅調であるのは、好調な国内需要と輸出需要が生産量の伸びを上回っているからである。国内需要を牽引するのはエタノール需要。カリフォルニア州を中心にいくつかの州で自主的にガソリン中におけるMTBE(メタル・ターシャリー・ブチル・エーテル)を規制してエタノールの使用を奨励する動きがあり、これがエタノールの生産量増加に繋がっている。
 更に、現在上院で協議されているエネルギー法案が可決されれば、国内のエタノール生産はさらに加速される見込み。輸出需要では、中国の動向が鍵となっている。これまでコーンの輸出国であった同国は、国内需要の増加に伴い、備蓄が年々減少し始めており、2003年度後半ついに中国政府は輸出の一時停止へと踏み切った。2004年春からは輸出が再開される見込みであるが、これまでのように年間1,000万トンを越える輸出量を継続することは不可能と思われる。近い将来にはコーンの輸入国になる可能性が高く、こういった同国の状況の変化が米国産コーンの輸出需要を加速する大きな要因となっている。堅調な国内需要・輸出需要のペースは2004年も継続されると思われ、2003年度末の期末在庫(約2,280万トン)を維持するには、史上最高となった同年度の生産量をさらに上回る生産量を2004年度に達成しなければならないという、非常に逼迫した需給となっている。

■大豆
 コーンとは180°異なり、2003年度は大豆にとって不作の年であった。コーンの受粉期が一通り終了した8月後半から天候が一変してHOT&DRYとなり、これが着鞘期の大豆を襲った。結果、1996年以来の不作の年となった。これにより、2003年の秋口からシカゴ大豆相場は高騰の一途を辿り、8月時点で1ブッシェル辺り5ドル強であった大豆価格は2004年2月後半には9ドル台に突入するという、史上例を見ないほどの急騰となった。この価格高騰にも関らず、中国の植物油需要を中心とした大豆に対する需要が余り衰えを見せていないことに加え、今や米国を抜いて世界一の輸出量を誇るようになったブラジルにおける天候懸念などが、更に価格を押し上げる材料となっている。

2. 米国の農業におけるイリノイ州の位置付け

 中西部は一般にコーンベルトと呼ばれ、米国におけるコーン・大豆の生産の中心となっているが、その主な理由としては、肥沃な土壌・農業に適した天候などが挙げられる。加えて、輸出港への輸送手段に恵まれたこともまたこの地で農業が栄えた理由の一つである。すなわち、最大の輸出港であるメキシコ湾へは、イリノイ川・オハイオ川・ミズーリ川などを経由してミシシッピ川へと運ばれ、安定的に港へと輸送される。また、東海岸へも五大湖・セントローレンス水路を利用しての大量輸送が可能なのである。イリノイ州は中西部の中でもコーン・大豆の生産量においてアイオワ州と1,2を争う程の大生産地であり、2003年度には、全米の18%のコーンを生産して、アイオワ州に次いで2位、大豆は全米の15%を生産して、1位となっている。また、輸出用コーンの約50%はアイオワ州とイリノイ州で生産されていると言われている。

(資料)