3. 機械部品
 

 

中西部・イリノイ州の経済ホーム

 

目次

 

I. 中西部・イリノイ州の経済

 

II. 主要業界の動向

1. 建設機械

2. 工作機械

3. 機械部品

4. 鉄鋼

5. 電気・電子部品

6. 金融

7. 小売

8. 海運

9. 航空

10. フォワーダ−

11. 建設・不動産

12. 情報

13. 観光

14. 農業

 

III. 当地日系企業の経営課題

1. 税務・財務

2. 法務・雇用

 

IV. 中西部の社会・経済指標

議員・知事リスト

中西部のベアリング製造業

 米国のベアリング製造業はこの8年間で徐々に規模が縮小して来ているものの、依然として米国の重要な産業であることには変わりがない。
 転がり軸受(その構成部品を含む)の2003年の出荷額は前年比1.3%減の53億1,570ドル(前年は53億8,750万ドル)で、5年前(1998年)の58億10万ドルと比べて8.4%の減少となった。全国調査(2002年)によると、米国の転がり軸受のメーカーは121社、工場は193ヵ所である。従業員数は36,547(97年)から28,956人(02年)に21%減少、この内、工場労働者数は29,827(97年)から23,884人(02年)に19.9%減少している。支払賃金総額は13億6,880万ドル(97年)から11億9,492万ドル(02年)に12.7%減少。工場労働時間数は63,026千時間(97年)から47,388千時間(02年)に24.8%減少している。(図1)

 また、設備投資総額は3億904万ドル(97年)から2億2,948万ドル(02年)へ25.7%減少している。
 転がり軸受の2004年の輸出額は前年比11.8%増の13億3,917万ドル(2003年は11億9,779万ドル)であった。また、輸入額は前年比17.6%増の16億6,392万ドル(2003年は14億1,399万ドル)であった。この結果、ベアリングに関する米国の貿易収支は約3億2,500万ドルの輸入超過であった。輸出先上位5カ国はカナダ、メキシコ、フランス、ドイツ、日本の順で、一方、輸入先上位5カ国は日本、中国、カナダ、ドイツ、フランスの順であった。(図2)(図3)

 日本へのベアリング輸出額は前年比49.2%増の5,149万ドル(2003年は3,450万ドル)で、輸出総額に占める割合は3.8%であった一方、日本からのベアリング輸入額は前年比19.1%増の5億453万ドル(2003年は4億2,334万ドル)で、輸入総額に占める割合は30.3%であった。この結果、ベアリングに関する米国の対日貿易赤字は4億5,000万ドルを超えている。日本を除いて考えると、米国のベアリングの貿易収支は約1億2,500万ドルの黒字であったことになる。
 ベアリング産業は中西部、特にイリノイ州に強い地盤を持っている。ベアリング製造工場の数はイリノイ州が16ヵ所で全米で最多である。この他、中西部にはオハイオ州に12ヵ所、インディアナ州に10ヵ所、ミシガン州に8ヵ所のベアリング工場がある。従業員数が20人以上の工場は全米193ヵ所の内127ヵ所である。この規模の工場が10ヵ所以上ある州は全米で4つの州に限られる。中西部のイリノイ州(12ヵ所)とオハイオ州(12ヵ所)の2つの州は大規模な工場が集まっているのが特徴である。
 米国のベアリング製造業はここ数年CDSOA(※)による支払いによる大きな恩恵を受けて来た。
 2001年〜2004年の4年間に、米国の二大ベアリングメーカーであるティムケン社(オハイオ州、カントン)とトーリントン社(インガソールランドの元子会社)への支払総額は合計で3億7,600万ドルであった。この金額はCDSOAによる支払総額の1/3以上に相当する。WTOはCDSOAによる支払いは違法であると裁定を下しており、2005年にはCDSOAは廃止される可能性が高い。ティムケン社(トーリントン社を2003年に買収している)がCDSOAの支払いを受けずに収益を維持出来るか興味深いところである。(図4)

※国会を2000年に通過した「ダンピングおよび輸出助成金相殺法(CDSOA)」により集められた関税がダンピング提訴した米国企業に与えられている。