6. 金融
 

 

中西部・イリノイ州の経済ホーム

 

目次

 

I. 中西部・イリノイ州の経済

 

II. 主要業界の動向

1. 建設機械

2. 工作機械

3. 機械部品

4. 鉄鋼

5. 電気・電子部品

6. 金融

7. 小売

8. 海運

9. 航空

10. フォワーダ−

11. 建設・不動産

12. 情報

13. 観光

14. 農業

 

III. 当地日系企業の経営課題

1. 税務・財務

2. 法務・雇用

 

IV. 中西部の社会・経済指標

議員・知事リスト

 2004年の米国経済は、03年後半からの回復モメンタムの高まりを引き継ぐ形で好調なスタートを切った後、夏場にかけて原油高の影響等により一時弱含む局面がみられた。しかしながら、その後は再び個人消費、設備投資という両輪に支えられて回復感を取り戻した。こうしたなかでFRBはデフレ警戒モードを解除し、2004年6月以降政策金利を景気中立的な水準へと戻すべく緩やかな利上げを続けた。景気回復が持続すると見込まれるなか、2005年もこうした緩やかな利上げ局面が続くものと予想される。
 金融機関動向としては、純利益が過去最高を記録するなど総じて好調な業績を示したが、一部大手行では過去の不祥事への対応に伴うコストが収益を圧迫する要因となった。また、大規模な合併・再編が顕著になったのも2004年の特徴であったといえる。
1.米国金融経済動向

 2004年の米国経済は、03年後半から鮮明化した企業活動の活発化による景気回復モメンタムの強まりを受け継ぐ形で好調なスタートを切った。春先にはそれまで極めて弱々しかった雇用も顕著な増加を示し、自律回復への道筋が見え始めた。5月以降夏場にかけては原油価格高騰の影響もあって個人消費が弱含み景気に減速懸念が広がる局面もみられたものの、その後は雇用改善を受けた消費の堅調さや好調な企業収益を背景とする設備投資の増勢持続に支えられつつ再び回復力を取り戻した。この間、実質GDP成長率は総じて安定した推移をみせ、2004年平均では前年比4.4%と、長期景気拡大が続いた90年代の末期にあたる1999年の成長率(4.5%)に迫るほどの高成長を記録した。
 他方、2002年後半以降高まりをみせていたデフレ懸念にも大きな変化が生じた。コア消費者物価(ぶれの大きいエネルギーと食料品を除く消費者物価)は2004年入り以降徐々に上昇率を高め始め、市場ではデフレリスクから一転、インフレリスクの可能性すら囁かれるようになった。
 こうした景気回復とデフレ懸念の払拭を受けて、FRBは超金融緩和モードの解除に踏み切った。2003年6月以来1.00%に据え置かれていたFFレートの誘導目標水準は、2004年6月のFOMC(連邦公開市場委員会)における0.25%の利上げを皮切りに緩やかに引き上げられ、2004年末には2.25%となった。もっとも、こうした短期金利の上昇にもかかわらず、夏場における景気減速懸念の広がりもあって長期金利の上昇圧力の高まりは生じなかった。このため耐久財消費や住宅市場への悪影響も特に現れることなく、結果として景気は順調に回復を続けた。
 株価もこうした景気の動向を織り込む形での動きとなった。年前半から半ばにかけては、景気減速懸念や大統領選に絡む不透明感などを受けてやや軟調な推移となったが、秋口以降は上昇基調に転じる展開となった。
 一方、為替はこうした景気の流れとはやや異なる展開をみせた。夏場まではブレを伴いつつも基本的に日米欧の景気動向を映じた動きを示していた為替相場は、その後米国大統領選挙を睨んだレンジ相場を経た後、11月以降は米国の双子の赤字に対する市場の懸念が強まるなかで、ドルは対円、対ユーロをはじめ多くの通貨に対して急速に下落基調を強めることになった。対円では5月につけた高値(1ドル114円88銭)から12月の安値(同101.92銭)までドル安が進んだ。
 2005年の米国経済については、2004年ほどの高成長は期待できないながらも、潜在成長率とされる3%台前半あるいはそれをやや上回る成長が続くと予想されている。もっとも、こうしたなかで、インフレ圧力の高まりとそれに対応したFRBによる金融政策の舵取りの成否次第では、長期金利急上昇につながるリスクもある。また、年明け以降米国の景気の強さや金利上昇を材料に上昇基調に転じたドルが、再び双子の赤字懸念へと市場の注目がシフトすることで急落するリスクも残されていることには注意しておく必要があろう。

 

2.米国金融機関動向

 金融機関動向としては、消費者ローンの好調持続や企業の資金需要の回復に伴う商工業ローンの持ち直し等が支えとなって純利益が過去最高益を更新するなど総じて好調な業績を確保した。もっとも、一部大手銀行では過去の不祥事への対応に伴うコストが収益を圧迫する要因となった。また、2004年に過去最高益を記録したとはいえ、増益率は前年比2%程度と過去2年続いた二桁の伸びからは大きく鈍化している。今後金利上昇局面に入り、消費者向けローンの延滞増加といったリスクの高まりが予想されるなか、米銀の収益動向についても次第に転換点に差し掛かりつつあるとの指摘が増えている。
 また、大規模な合併・再編が相次いだのも2004年の特徴であった。年明け早々にJPモルガンチェースがバンクワン買収を発表(600億ドルの買収価格は歴代第3位)、バンカメは10年間で7,500億ドルという過去最大規模の地域投資をコミットすることでフリート買収を実現した。また、中西部の銀行関連では、上述のJPモルガンチェースによるバンクワン(イリノイ州シカゴ)買収に加えて、英国RBS傘下のシチズンズがオハイオ州クリーブランドに本拠地を置くチャーターワンを買収した。

(表参照)