13. 観光
 

 

中西部・イリノイ州の経済ホーム

 

目次

 

I. 中西部・イリノイ州の経済

 

II. 主要業界の動向

1. 建設機械

2. 工作機械

3. 機械部品

4. 鉄鋼

5. 電気・電子部品

6. 金融

7. 小売

8. 海運

9. 航空

10. フォワーダ−

11. 建設・不動産

12. 情報

13. 観光

14. 農業

 

III. 当地日系企業の経営課題

1. 税務・財務

2. 法務・雇用

 

IV. 中西部の社会・経済指標

議員・知事リスト

 イリノイ州における旅行産業の支出総額および雇用、給料収入、州税、地方税、の収入などに、国内外からの訪問者の増減は大きなインパクトを与えている。同時テロ以後イリノイ州の観光産業の変動を追ってみた。
 2001年初期からの景気後退及び同時テロの発生にともない、空港の安全規制の強化なども影響して第二次世界大戦後過去にない激減となる。
 2002年,2003年も継続して減少しているが、株価の下降、景気の回復ペース、イラク戦争等も影響して旅行業界に取って困難な時期となる。
 しかしながら、旅行、観光業界は景気の回復にともない2003年中期以降は海外からの訪問者は依然として伸び悩んでいるが、国内旅行は順調な復調を遂げている。

 2003年にイリノイ州を訪れた国内外からの訪問者が消費した直接、間接の消費額は$39.9ビリオンを超えており、2002年からは2.0%上昇している。
 2003年に旅行産業に従事する人々が生み出している税金は$13.7ビリオンとなり、2002年から0.7%の上昇となっている。その結果、2003年イリノイ州に57万9千6百人が旅行産業に従事しており、これは農業以外を除いたイリノイ州の雇用の10%を供給している。
 2003年の国内旅行は微増しているが、多くは観光目的の旅行であり、2002年から全体では1.2%の上昇、観光旅行のみでの上昇率は1.9%となっている。

 アメリカにおける観光旅行の増大は国内旅行の消費に重要な影響を与えており、国内旅行の消費は2003年には$336.8ビリオンで2002年から5.1%上昇している。ちなみに、ビジネス旅行は変動が見えられなかった。その結果、ビジネス旅行のマーケットシェアは3.2%の減少となる。
 車での旅行の消費は2002年から10.1%上昇して$83.6ビリオンとなっているが、車での旅行を選ぶ人が増えた事と、2003年からのガソリン価格の値上がりが影響していると考えられる。
 国内線の航空機による旅行は依然として減少しており、エアー・トランスポート・アソシエーション(ATA)の報告によると2003年は2.8%減少しており、国際線の利用客は2003年度には1.8%の減少で航空会社の収入は3.6%減となった。
 同時テロ以降の兆候として、国内旅行は依然として自宅から近距離の田舎を好み、遠方の大都市を敬遠しており飛行機での観光旅行、ビジネス旅行は5年連続で2003年度も3.7%減少している。
 安全への懸念、イラク戦争、SARS,不安定な国際経済環境などが障害となり海外からのアメリカ訪問者は2002年との比較で2003年は3.7%の減少となる。
 イリノイ州には海外からの訪問者の数はメキシコを除き1.4ミリオン以上とされている。
 国内と海外からの訪問者を含むと16.51ミリオンとなり国内からの訪問者が圧倒的にが多い。
 2002年度の海外からの訪問者は前年と比較して3.8%減少したが、全米平均は12%減であった。その結果、イリノイ州のマーケットシェアでは海外からの訪問者は5.1%から5.6%に上昇した。 
 イリノイ州はアメリカ50州の中で海外からの訪問者が6番目に多く、シカゴ市はアメリカの都市の中で9番目にランクされている。2002年度のカナダからのイリノイ州訪問者は34万9千人と最も多いが1.8%減少しており、全米平均でも4%減となった。その他の国では英国が16万8千人で2番目、日本が12万3千人で続いている。ちなみにドイツが9万2千人となっている。(メキシコは除く)
同時テロ、イラク戦争の影響を強く受けているのが予測出来るが、2003年度の海外からの訪問者の人数はカナダ30万6千人、英国16万5千人、日本7万9千人、ドイツ6万7千人と2003年度も減少は続いている。

 海外からの訪問者がイリノイ州での過ごし方で最も人気のあるのは買い物、レストラン、観光、歴史に関わる建物、美術館、博物館、近郊の小さな町と続く。海外からの訪問者の40%は観光目的であり、平均滞在日数は約10日で一日平均の消費は$63となる。

 2004年度の業界予測によると、下半期国内外の旅行者数は同時テロ以前まで回復しており、今後の復調が期待される。前述のデータで示される通り、観光産業が多岐方面でイリノイ州経済に与える影響を鑑み、シカゴ市観光局では一貫した2つの方針を掲げている。 第一は地元市民が楽しめる街作りであり、第二は犯罪の少ない安全な街作りである。壊れた建物があれば修繕する、除雪を速やかに行う、各種イベントを頻繁に開催する、そして教育重視により生活水準の上昇を図り、犯罪を減少させる。 要は地元市民が楽しめる街は、誰が何度訪れても楽しめるといった明快な方針である。 州外旅行者のシカゴにおける消費の大小に関わらず、リピーターとして、同時にシカゴの好印象を口コミで広げる宣伝効果は、長期的な視野で観光産業の基盤を安定させる極めて重要な要素を帯びている。今後益々観光産業の経済的貢献度が期待できるであろう。

(表参照)