■ ホームドクター制度について
    



■ホームドクターとは?

 アメリカでホームドクターという言葉をよく耳にしますが、 ホームドクタ一というのは病気になったとき、怪我をした とき、まず最初に相談する医師のことを言います。
 アメリカの医療システムは専門分野が数多くあり、細分化され ているなど、日本の医療制度と異なることが色々あります ので、アメリカのホームドクター制度について、ある程度 の知識を持つことが必要です。

■大人が病気になった場合、まず内科

 大人が病気になった場合、まずは内科医へ行くのが良い でしよう。内科医は医大を卒業した後、3年間病院勤務し、 大人の治療に関しての教育を受けます。
 呼吸器、循環器、消化器、神経、腎臓等の内科の専門分 野はもちろん、その他にも一般婦人科、皮膚科、精神科等 の教育もこの間に受けることになります。
 アメリカでは医療費が日本に比べ非常に高いため、米国医師会では出来る 限り何人もの医者に行く必要をなくそうと、内科医の教育を 総合的なものにしています。もし一般内科医が神経内科、 循環器内科、皮膚科等への依頼が必要と診断した場合は、 その医師が専門医を紹介することになっています。

■子供の場合は小児科

 子供の場合は小児科が良いでしよう。
 小児科もやはり内科と同じく、卒業後、3年間の病院勤務 をします。
 その間に新生児の治療から青年の病気まで、また腎臓、 心臓などの小児科専門分野の教育を受けます。

 アメリカにはもう一つ、ホームドク夕一とよぶ、分野があります。
 これは家庭医学科です。家庭医学科医というのは卒業後、 やはり3年間の教育を受けます。家庭医学科が、内科、 小児科と違うところは、この家庭医学科は、3年間の間に、 外科、小児科、内科、産婦人科、精神科、と医学生と同じ ように全科を回ると言うことです。つまり家庭医学科医の 特徴は、幅広く教育を受ける一方、各専門科で教育を受 ける期間が非常に短いため、知識が各部門で浅くなりが ちではあります。

■妊娠中に病気になったら

 では、妊娠中に病気になった場合にどうするべきかを考え てみましよう。
 妊娠された場合はまず産婦人科医を紹介してもらう必要が あります。産婦人科医は出産時はもちろん、また出産に至る までの妊婦さんの健康管理などには欠かせないものです。
 ただし、産婦人科はかなり、細かい専門分野で、研修医で ある間も女性の医学だけを学びます。ですから、内科、小 児科に関する教育は一切受けていませんので、ホームドク ターにはなりません。もし、妊娠中に病気になったらどうする べきでしょうか?
 一番良いのは、産婦人科、と内科両方の治療を受けることです。
 妊娠中の医療には、常に産婦人科が必要ですが、一般の病気 に関しての知識は内科医の方が遥かに上ですので、こういう 場合は二つの専門分野による共同治療を受けた方がいいでしょう。

■お医者さんの選び方

 さて医者を選ぶときはどのようなことに気をつけたらいいのでしょうか?
 医者なら誰でも良いというわけではありませんので下記のことに注意して下さい。

(1)自宅、仕事先からの距離
 やはり、いざというときは医師が遠いと不便ですのでいつでも行けるよう に、近くにいる医師を捜した方がいいでしよう。

(2)関連病院
 日本では入院が必要となった場合はかかりつけの医師ではなく、 病院内にいる医師に治療をしてもらう事になりますがアメリカでは ここが大きく違っています。
 アメリカではホームドクタ一は殆どの場合いくつかの病院に所属 しており、もし患者が入院した場合はそのかかりつけのホームド クターが主治医となり、病院に出向いて診察をしてくれます。
 ですから、医師が近くの病院に所属しているか、また信頼度の高 い病院と関連しているかと言うことも調べておいて方がいいでしょう。

(3)緊急時の対応
 緊急の病気というのは、なぜか普通の診療時問外に起こりやす いものです。
 アメりカの医師は普通必要で有れば24時問連絡が取れるように なってますので、そういったシステムを持っている医師かどうか調 べておくのも大切なことでしょう。

(4)日本語使用の可能性
 英語が上手な方はそれほど問題にはなりませんが、日本から来 られて間もない方など、まだ英語に自信がないことも多いかと思 います。
 医療の基本はやはり問診から始まりますので、コミユニケーショ ンは大切です。
 医師がどの程度の日本語を話せるのか、あるいは通訳を通して 診療を受けるのかなども医療の質に関わってきますのでその点 は前もって調べておくといいでしよう。

(5)医師の質
 何と言っても一番大切なのは、やはり医師のレベルがどの程度 のものかと言うことでしよう。
 残念ながら、一般の人は医師のレベルを見抜くことは不可能で、 適当に選んでしまうことが多いようです。一番良いのは医師と親 しくしている方を通して紹介してもらうことです。
 医師はいろいろな分野での腕のいい医師を知っていますから、 医師を通して医師を捜すのが一番安全です。
 又、アメりカでは各専門分野でボードという認定試験が行われます。 これは医大を卒業し、何年間か病院で研修を終えた後に受ける試 験で、これに合格して初めて米国ボード認定内科医、小児科医、産 婦人科医などとなるわけです。
 このボード認定試験は難易度がかなり高く、毎年50〜60%の医 師しか合格しません。この試験は医師の医療知識を調べるもので すから、合格した認定医師ならば安心して診察を受けられるでしょう。

(6)診療時聞

 診療時間は医師によって違いますが、中には、仕事帰りにこられる ように夜の診療を行っている医師もいます。
 また最近は非常に少なくなりましたが、往診をしてくれる医師も探せ ばいますので、調べておくと良いでしよう。

(7)保険の利用
 アメリカでは日本と比べて医療費が非常に高くなっています。
 ですからアメリカで診療を受ける場合、注意して保険を選ばないと、 自己負担がかなりかさむことになります。
 医師がどの保険に加入しているか、また何%が自己負担になるの かいろいろありますので、よく調べておかれるとよいと思います。
 病気はいつ、どういう形で現れるか予想できないので、いつでも気 軽に相談できるホームドクターを決めておくことは大切なことです。
 以上のことを参考にして慎重に医師を選んで下さい。

 (執筆:医学博士 四方 英樹氏)

■病院リスト
■ホームドクター
■緊急医療
■予防接種
■成人病
■メンタルヘルス