■ ビザの取得と移民法の規制




■ビザの取得と移民法の規制

一般に、米国籍のない者が米国へ入国するにはビザが必要である。

■主なビザの種類
(1)B-1(商用)ビザ
 B-1ビザは、会議、交渉等の商用で米国に短期駐在する者に適したビザで、 米国に長期滞在する予定の者には不適当である。

(2)B-2(観光)ビザ
 B-2ビザは観光、親類訪問等、私用で米国を短期訪問する者に適したビザ である。
 但し、日本国民で、商用(B-1)もしくは観光(B-2)目的で短期間米国を 訪問する場合は、ビザ免除パイロットプログラムの適用対象となり、この適用 を受けると、90日以内の滞在であれぱ、ビザなしに米国に滞在することがで きることに留意されたい。
 このビザ免除パイロットプログラムの適用により、現在ではB-1もしくはB-2ピザ をアメリカ大使館もしくはアメリカ領事館で取得することは困難になっている。

(3)E-1(条約貿易従事者)ピザとE-2(条約投資家)ビザ
 このビザは、米国と日本の間で実質的な国際取引を行うか、もしくは米国に実 質的かつ活発な投資を行っている会社(たとえば米国に工場を所有する等)を 対象にしている。
 このカテゴリーでは、当該会社の経営者、役員、あるいは事業に不可欠の 技術を所有する従業員に対して、最長5年のビザが発行され、有効な事業目的が 継続している限りにおいては、更に5年の延長が認められる。

(4)L-1(社内転勤者)ビザ
 このビザは関連会社間での役員、管理職、専門的知識を有する従業員の社内 転勤に際して発行される。
 但し、このビザが発給されるための条件・制限については、従業員が当該関連 会社に雇用されている最低勤続年数、子会社・関連会社として認定されるための 条件、あるいは適格と考えられる事業活動の種類等について移民法で規定している。

(5)H−1(専門職)ビザ
 このビザは、専門職もしくは当該職務に関連した研究で少なくとも学士号を取 得している者に適しているものである。
 就労ビザ取得者の家族には、それぞれの就労ビザに応じて米国に滞在できる ビザが発給されるが、上記E,H,Lなどの就労ビザ保有者の配偶者や子供は、 米国で働くことが許されない。
 また就労ビザを有する本人が日本へ帰国する場合は、家族等のビザも自動的 に効力を失うことになる。

■永住権(グリーンカード)と市民権

 就労ビザに伴う制約やビザの更新手続等から免れる方法として、永住権 (グリーンカード)の取得がある。
 しかし、グリーンカードが取得できるのは、米国人と家族関係がある場合、 米国における雇用関係がある場合、および抽選プログラムに当選した場合等 に限られている。
 これに対して、米国の市民権を取得するためには、将来的に二重国籍を有 する場合を除き、日本国籍を放棄しなければならない。
 米国で出生した場合、米国憲法によって自動的に市民権が付与される。
 これは出生証明書(Birth Certificate)で証明される。
 また米国で出生した者について、日本への出生届けと共に、日本国籍保留 の手続きを取っておけば、いわゆる二重国籍の状態となる。
 二重国籍にせよ、日本国籍を放棄して米国籍を取った場合にせよ、米国市 民権を取れば、法律上米国人として扱われることになる。

■I-94

 米国へ入国するために必要とされるビザは、パスポートにスタンプが押される 形で発行されるのが通常であるが、これとは別に入国許可を証明する書類とし てI-94という滞在許可書がある。(米国へ入国する際に、入国審査官の手でパス ポートに添付される紙片がI-94)
 I-94には、滞在許可期間の記載や(これはビザの有効期間とは異なる場合がある) 、入国許可の種類などの記載がある。
 米国滞在がI-94の滞在許可期間を超過しそうな場合は、滞在許可延長申請 が必要となる。
但し、“ビザ免許パイロットプログラム”に基づいて米国に入国した場合は、I-94の 延長は認められない。

■ビザの変更、更新、その他

 ビザは米国へ入国する際に必要な書類であるので、入国の際に有効であれば 足り、ビザの有効期間が切れても、I-94の滞在許可の有効期間中は、米国内の 滞在については何ら問題がない。
 但し、将来の出入国に備えて、常に有効なビザを持っていることが望ましい。
 ビザの更新は、通常米国外の大使館、領事館でてきるが、就労ビザ(E、H、Lピザ) の場合は、保有者が米国内に滞在している場合は、ワシントンD.C.にある国務省 のビザ事務所でも更新手続ができる(但し、郵送取扱いで時間がかかる)。
 また就労ビザ保有者が転職する場合は、変更手続をすることを要する。
 米国の移民法実務は変更も多いので、最新の情報を得ることが重要である。
 ビザに関する質問は、移民法専門の弁護士のいる法律事務所や、米国移民局 (Immigration and Naturalization Service Office)のサービス・センター(ビザ全般 については、ネブラスカ州にあるNorthren Service Center TEL:402-437-5218、シカ ゴ地区は10 West Jackson, Chicago, IL 60604 TEL:312-353-7334)に問い合わせる のがよい。
 しかし、移民局で一般に提供できるサービスは限られているので(電話では基本 的に録音テープによる案内)、留意する必要がある。