「シカゴ美術館日本語ツアー」開催報告

JCCC文化部では、2021年にウェビナーで開催し、好評を得た「シカゴ美術館日本語ツアー」をインパーソンで開催しました。今回も、シカゴ美術館公共教育客員講師の斉藤 博子氏を講師としてお迎えし、珠玉のコレクションの数々をご紹介いただきました。
シカゴ美術館は、メトロポリタン美術館、ボストン美術館と並びアメリカ3大美術館と称され、世界各地、そしてあらゆる時代の美術を広く収集しています。特に、日本でも人気の高い、モネ、ルノワール、スーラ等のフランス印象派やヨーロッパ近代絵画が充実しており、シカゴ美術館代表的収蔵品である、スーラの代表作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の前には多くの人だかりができていました。点描法を用いて描かれたこの作品は、数学的な遠近法に基づいて作成され、この大きな作品(縦2メートル、横3メートル)が近くで見ると細かい点で全て構成
されていることに驚かされ、遠くから見るとその点が美しく交わり、絵画全体の雨の静けさや光を見事に表現していることに気づかされました。シカゴ美術館は、美術作品を貸し出すことで、多くの収入を得ているそうですが、この作品は特殊な絵の具を用いていることや額縁に入れられている為、門外不出とされているそうです。
ツアー当日は、斉藤講師が驚かれるほど、頻繁に貸出しがされているゴッホの「自画像」と「ファン・ゴッホの寝室」を並んで観ることができたり、アメリカ美術の代表作、エドワード・ホッパーの「ナイトホークス」も鑑賞することができました。また、ピカソの「老いたギター弾き」もあり、その絵は元々、女性が描かれていたそうで、絵の見方を変えるとその女性を薄っすら見ることができ、写真などでは気づくことができない、実際に美術館で絵画を見ることの楽しさを味わうことができました。
2時間半のツアーでしたが、斉藤講師が基本的な美術の歴史だけでなく、シカゴの歴史背景や日本人ならではの視点での解説を多数組み入れてくださり、参加者の皆様から何度も感嘆の声が上がるほど、充実した時間となりました。本ツアーは、申込開始から3時間ほどで、満員に達するほどの大人気のイベントになりましたので、また来年以降も文化部で開催できるよう企画したいと考えています。
改めて、今回の開催に際し、ご尽力いただきました斉藤講師にこの場をお借りし、心より御礼申し上げます。

 

日時
9月16日(土)11:00AM-1:30PM
場所
シカゴ美術館
参加者数
26名
参加費
JCCC会員(登録会員とその家族) 大人(18歳以上)$20   子供(18歳未満) 無料
講師
斉藤 博子氏 シカゴ美術館 公共教育 客員講師