「2022年度版 中西部・イリノイ州の経済」発行のご案内
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中西部・イリノイ州は、米国大陸の中央部に位置し、古くから水路を活用した流通から現代では巨大レールヤードやトラック輸送の拠点として栄えてきました。広大な農地が背後に控える穀物の生産・集積所として、古くは五大湖周辺を中心とした自動車、鉄鋼、機械産業などの製造拠点としての役割の上に、金融・保険・コンサルティング・医薬品、航空宇宙、I T産業を代表する企業の本社・地域支社が多く存在します。また、天災が少ないシカゴ地域では、昨今飛躍的に拡大してきているサーバー管理用データセンターも全米屈指の規模で設置されています。
上記のように幅広い産業の重要拠点であるイリノイ州では、2020年に発生したCOVID-19の影響によりあらゆることに大きな変化が起こりました。シカゴの南西部に位置する列車貨物巨大ターミナルやオヘア空港貨物センターでの物流問題は、中西部で事業を行う製造業をはじめすべての産業に想像を絶する影響を与えました。この問題はまだ解決の目処がつかずしばらく継続すると言われています。その上にガソリン代の高騰を受けてすべての商品が値上げ傾向に向かい、昨今経験のないインフレーションレートに達し、それを抑えるためとうとう大幅な利上げが実施されました。これによって急激なブレーキがかかりオバマ政権発足以来一度も発生しなかったリセッションへ向かうことは間違いありません。一方でアメリカとEUの高金利政策によって円安が始まり、このままの状態が続くとどこで下げ止まるかも見えてきません。大きな変化が起きた時には「想定外」という言葉が飛び交いますが、地球の歴史は「想定外」の状況に上手く適応したものだけが生き残って来たことを明確に示しています。如何に柔軟に対応し適切な判断を下していくか試される時となりそうです。
『中西部・イリノイ州の経済』(年1回発行)は、地元経済状況や各業界の動向をコンパクトに解説したものです。本誌はこれまで、当地域でビジネスに従事されている方、また当地を訪問される方々へのビジネス情報誌として広く活用されておりますが、現在はオンラインで発行しており、より多くの方々にいつでもご利用頂けるようにしております。当地の各分野に関する貴重な最新情報として是非ご参照頂ければ幸いに存じます。
本誌の発行に際しましては、在シカゴ日本国総領事館様、ジェトロ・シカゴ様、さらには、当商工会議所各会員、特にご執筆をご担当頂きました会員の皆様に多大なご協力を賜りました。末筆ながらこの場をお借りいたしまして、皆様に心より感謝申し上げます。
シカゴ日本商工会議所 商工業委員会
委員長 大春 敬
ホワイトキューブ不動産ソリューションサービス