JEEP報告 ジョアン・コート


Ms. Joann Kort, Principal
Dirksen Elementary School, Schaumburg Community Consolidated School District 54

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出発の日、私はオヘア空港のラウンジで緊張と期待に包まれていました。日本行きの便を待つ間、色々なことが頭の中を駆け巡りました。果たしてうまくコミュニケーションが取れるのだろうか、どのような食事がでるのだろうか、学校はどんな感じだろうか、生徒たちやホストファミリーは私を受け入れてくれるのだろうかと考えていました。しかし、今になって振り返ってみると、心配することは何もありませんでした。この旅は私の予想をはるかに超えた素晴らしいものだったからです。

今回、公立・私立の規模の違う4校の学校訪問を通して、それぞれの異なった特徴を知ることができたのは貴重な経験でした。広尾学園中学校、高校を訪問させていただいた際には、直接生徒に学校生活について質問できる機会がありました。生徒たちは、正直に学校や保護者からの学力面の期待にどのように感じているかを答えてくれました。期待に対してのストレスをどうやって抱え込まないようにしているかと質問したところ、何か問題があれば担任の先生にすぐに相談すると答えてくれました。彼らにとって学校は安全な場所として認識されていると感じました。また、悲しいことに彼らはアメリカで立て続けに起こっている学校での銃乱射事件について認知していて、同じ学校に通う生徒たちに対してあのような酷いことをする人間の行動はとても理解ができないと話してくれました。生徒たちと話した後には、数名の教師からもお話をお聞きする機会がありました。保護者は教師に対して理解があり、子供たちが最善を尽くすことを期待していると話してくれました。もし何か問題があれば、すぐに保護者と話す機会を設け、保護者も家庭でできることは率先して行い、子供たちのサポートをするとのことでした。

翌日は立会小学校でのデモレッスンでした。私は全校生徒の前で参加者代表として挨拶をさせていただきました。挨拶では、私達プログラム参加者全員の学校に日本から来た生徒が在籍していると説明し、訪問の機会を与えていただいたことに感謝の意を述べました。集会後は、教室に移動してデモレッスンを行いました。生徒たちは私たちが日本語を話せないにも関わらず、レッスンに積極的に参加してくれ、私が話すことを注意深く聞いてくれました。先生たちもとても優しく私たちのサポートをしてくれました。その後の給食時には、生徒たちが協力し合っている姿を見て、とても新鮮で気持ち良く感じました。生徒たちに食事の選択肢はなく、全員が同じ食事を残さず取っていました。私の学校の生徒は各自で昼食を持参しています。中には政府から援助を受けている生徒もいますが、支給された食事が嫌いだからといって食べない生徒もいます。アメリカの昼食と全く違うシステムに驚きました。

この旅で最も印象に残ったことは、斑鳩でのホームステイです。斑鳩に到着した時の出迎えはとても温かく友好的で、ホストファミリーの方々が旗やサインを持って歓迎してくれました。私のホストファミリーは若い両親と小さな女の子3人の家族でした。彼らは英語があまり話せなかったのでお互いの携帯電話の翻訳機能を使いながら、コミュニケーションをとりました。親戚、友人、そして近所の人たちまで私に会いに家に来てくれました。皆とても素敵な方々で、食べ物やプレゼントを持ってきてくれました。少し英語が話せる人たちは、私と英語で話してくれました。私たちは日本とアメリカの学校・教育の違いについて話しました。特に自閉症の子供たちへの日米の学校での対応の違いについて、興味深いお話ができました。今回のホームステイの経験を通して、日本文化に直に触れることができた気がします。

この日本訪問を通して、私の学校にいる日本人生徒たちのことをより深く理解できるようになりました。日本は教育に対し非常に熱心で、保護者は子供が何を必要としているのかを把握し、学力面でも生活面でも積極的にサポートしています。子供は当然保護者や学校からの期待を理解し、それに応えようと努力します。ホストファミリーの娘のうちの1人が、家に多くのお客が来ていたため、翌日提出しなければならない宿題が終わっていませんでした。翌朝、彼女は朝早くに起こされ、登校前に一生懸命宿題をしていました。私は彼女に、もし宿題が終わらなければどうなるのかと聞いてみると、彼女はびっくりした顔で、「そんなことはありえない!」と言いました。教育に対する熱意と目標達成への努力を明らかに感じた瞬間でした。

先日、私の学校で新学期のパーティーがありました。日本人の生徒たちは私が日本を訪問したことに対し、とても喜んでくれ、滞在中の写真を見せるととても嬉しそうに見てくれました。このような素晴らしい機会をいただき、日本という美しい国を訪問できたことに心から感謝いたします。