JEEP報告 マラ・バリー
Prairie Elementary School, Kildeer Countryside School District 96
Language Development Coach, Ms. Mara Barry
日本で過ごした3週間を思い返すと、未だに信じられない気持ちでいっぱいです。JCCCから連絡があり、JEEPのメンバーの一人に選ばれたという知らせを聞いた瞬間から、興奮が冷めませんでした。今でも、あの素晴らしい経験を思い返すだけで自然と笑顔になります。
到着&おもてなし
出発の朝、プログラムに一緒に参加するモーリーンとエイミーと空港で合流すると、航空会社の方がエグゼクティブラウンジまで案内してくれました。飛行機に乗ること約14時間。成田空港に到着した私たちを待っていたのは、IISTスタッフの素敵な笑顔でのお迎えでした。私たち3人ともこの経験は素晴らしいものになると確信した瞬間でした。
月曜の朝、ホテルのロビーで待ち合わせをした後、オリエンテーションに向かいました。ここで、他国や他州からの参加者と顔合わせをしました。会議室に移動した後、5つのグループに分かれ、このグループで最後のプレゼンテーションをするという説明を受けました。この旅での経験を通して新たな友情が芽生え始めました。
日本文化の体験
着物の着付け体験は素晴らしいものでした。短い説明を受けた後、全員が自分の気に入った着物を選びました。着付け師の方が結んでくださった帯は非常にきれいな仕上がりでした。参加者全員にとって感動的な体験でした。また、色々な神社やお寺、名所を訪れましたが、中でも印象に残ったのは広島でした。被爆者のお話を聞く機会があり、その当時の様子や生存者としてのその後の人生をお話してくれました。皆が彼の話に心を奪われました。
学校
日本の学校訪問は私にとって非常に勉強になりました。公立と私立、両方の学校を訪問させていただき、どの学校でも温かく歓迎され、学校案内をしていただきました。授業見学をしたり、生徒たちと会話をしたり、一緒に給食を食べたりしました。生徒たち自身が食事を配り、食べた後は自分たちで片づけ、さらに全員で一斉に「いただきます」と合掌をする光景は印象的でした。
デモレッスン:立会小学校
立会小学校を訪問した際には、私たちは体育館に集められ、温かく迎えられました。ステージにあがった私たちは、まるでセレブのようでした。一人ずつ自己紹介をする度に、生徒たちが拍手をしてくれました。その後、2年生の教室に案内された私とエイミーは、そこでデモレッスンを行いました。生徒たちは皆、手を挙げたり、質問に答えたりとまるで通常の授業のように参加をしてくれました。「色」についての授業だったので、目で見ての理解も可能でしたが、音楽に合わせての動作が必要であったり、私たちの英語での質問に答えながらの授業だったので、生徒達にとっては目新しいものだったと思います。しかし、彼らは理解しようと一生懸命参加してくれました。次のクラスでは、最初のクラスからの反省を基に改良したので、よりスムーズに授業が進みました。多くの生徒がそれぞれの色の英単語を既に知っていたので、復習をしながら授業を進めることができました。
私たちが訪問した学校はそれぞれに違いがあり、広尾学園のように新しくモダンな学校もあれば、広島市立基町小学校のように長い歴史のある学校もありました。しかし、校舎の見かけ以外は、どの学校にも違いはありませんでした。全ての学校で教職員は生徒への指導に対して情熱を注ぎ、また生徒は何事にも一生懸命取り組み、学習する事を楽しんでいるように思えました。生徒たちが自分の学校について話してくれるのを聞くだけで、楽しい気分になり、彼らが学校生活を楽しんで毎日過ごしている事が伝わってきました。生徒たちから直接話を聞けたことは、学校訪問における貴重な体験の一部でした。
食べ物
日本滞在中、私はさまざまな日本食を食べる機会がありました。たこ焼きの作り方を教わり、さまざまな種類の豆腐を食べました。お米、豆腐、そして味噌汁は、日本食にはかかせないものだと知りました。日本の食事は実に様々な種類がありますが、一人分の量は非常に少ないことを知りました。どれも大変美味しく、さまざまな調理法と盛り付けで料理を出されますが、朝からスープを飲む習慣がない人には、慣れるのに少し時間がかかるでしょう。日本では朝食時に味噌汁を飲むことが当たり前なのです。
寺社
いくつかお寺や神社を巡る機会があり、東大寺、厳島神社、金閣寺を訪れました。それぞれどこか似ているような雰囲気もありましたが、同時に全く異なるものを象徴していました。それぞれの歴史と美しさを体験できたことは幸運なことでした。
文化体験
各都市を訪れた際に、それぞれの土地ごとに現地に詳しいツアーガイドに案内をしてもらうことができ幸いでした。京都と奈良のガイドの方は、私たちが自由行動をする際も丁寧に道を教えてくれました。自由時間では、他の参加者との友好をより深めることができ、自分たちで行きたい場所に行くことができました。私は京都での自由時間に、祇園に行きました。他の参加者と共に舞妓さんを見たり、お茶屋に行ったりしました。広島では雨が降りましたが、何とか街中を探索することができました。東京での自由時間には、渋谷のスクランブル交差点や秋葉原を訪れました。品川駅に戻る際の東京駅での電車の乗り換えはかなり複雑でしたが、なんとかやり遂げました。
ホームステイ
ホームステイは楽しかった反面、私にとって挑戦でもありました。ホストファミリーはとても親切で、家族の一員のように接してくれました。スーパーへ一緒に買出しに行き、料理をしました。書道を教えてくれたり、音楽祭に行ったり、奈良にある素敵な庭園に連れて行ってくれました。前回のホームステイゲストのお気に入りだったという100円ショップにも連れて行ってくれました。唯一残念だったことは、彼らの英語が非常に限られていたことでした。ホストファミリーが日本語で会話しているのを車の後部座席で聞いていて、理解できないことは心苦しいものでした。これは、まさに私の生徒が体験していることだと気付かされる良いきっかけになり、生徒たちが少しでも楽になるようにサポートできる方法を考える事がこれからの私の課題であると思いました。
プログラム終了後の滞在
私がJEEPに応募した際に応募者のほとんどが日本に知り合いがいる、もしくは何かの繋がりがあるものだと思っていました。ところが、それは私の思い込みであり、日本に知り合いがいて会いに行く計画を立てていたのはほんの数人でした。私は、3週間の滞在中に昔私が受け持った生徒達6家族と時間を過ごす事ができました。どの家族も私にとって大切な家族です。最初に再会した家族は、6月の初めに日本に戻ってきたばかりで、日本の生活にやっと馴染んできたとのことでした。彼女は私を色々なところに連れて行ってくれました。秋葉原や、日本の庭園を訪ねたり、クルーズに乗ったり、お好み焼きともんじゃ焼きを食べたりしました。本当に楽しい一日でした。最後に再会した家族は、私が受けもった一番最初の日本人家族でした。アメリカに7年住み、12年前に日本に戻りました。私自身だけでなく、私の息子たちも夜のクルーズに連れて行ってくれて、素敵な時間を過ごしました。彼らの長男と私の息子は、アメリカ時代からの友達です。またこうやって会えたことは非常に感慨深いものでした。このような素敵な経験をできたことは一生忘れません。この機会を与えて下さって、本当にありがとうございました。今後は、このプログラムを通して得た知識や経験を活かして、日本人の生徒に少しでも手助けができるよう努力していきます。