JEEP報告 レイチェル・ブランド
Ms. Rachel Bland, Principal
Stuart R. Paddock School, Community Consolidated School District 15
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私は一生の思い出となったこの素晴らしいプログラムで学んだことや感じた全てのことを、どのように表現すればいいのかわかりません。日本の伝統、文化、学校、家庭について実に多くの知識を得ることができた貴重な機会をいただけたことを大変光栄に思います。今回のプログラムを通し、私の学校へ転入してくる生徒やその家族が経験するであろう外国生活に対して、新しい見方、考え方を学ぶことができました。
私は日本という国は助け合い、思いやりがある国だと感じました。私が出会った人々は親切で思いやりがある方たちばかりでした。電車の駅で困っていると声をかけてくれたり、駅員さんが障害者の方たちを手助けするのを見かけたりしました。野球場に行った際には、観客が試合終了後にごみを拾ってきれいにして帰っていたことに驚きました。人々はお互い同士だけではなく、日本という国を大切にする意識があり、自分のことも大事だが、他人のことも考えるというのが、日本の文化だと感じました。日本滞在中にロシアで開催されていたサッカーのワールドカップで、日本チームが敗戦後ロッカールームをごみ一つ無く綺麗に掃除し、ロシア語で「ありがとう」と書いたカードを残したこと、また日本人サポーターたちが、スタジアムのごみ拾いをしたことが話題になっていました。日本訪問後は、日本人のそのような思いやりの行動を理解することができました。なぜなら、日本は全てにおいて他者や環境を思いやる文化の国だからです。
今回のプログラムの中で、着物を着せていただく機会がありました。着物の仕立て方や人々がどのような機会に着物を着るのか等の伝統を教わりました。また、着物は一つ一つが手作りで、完成するのに1年以上かかるということも学びました。着付け師の方々からは、着付けに対する情熱と正確さが伝わってきました。
学校訪問の際にはどの学校でも生徒や学校関係者の方々から温かく迎えられました。全校集会では私たちの為にブラスバンドが演奏してくれたり、また、朝礼に参加した時には生徒たちが手を振ったり、ハイタッチをしたりして歓迎してくれました。小学校でデモレッスンを行ったこと、各学校の生徒や学校関係者の方々とお話をできたことは貴重な経験でした。私の学校と日本の学校には共通しているところが多くありました。教室のレイアウト、教師の教え方の工夫、子供が子供らしく泣いたり笑ったりしている光景は同じでした。休み時間になると生徒たちは外に出て、彼等独自のゲームしたり、一輪車に乗ったりしていました。私のパラタインの学校には一輪車がありませんが、生徒たちが失敗しながらも何度も何度も練習をしている姿をみて、こういう経験を通して、子供が忍耐を習得していくことは共通していると感じました。私の学校と違うところも多くありました。例えば、一人の担任の先生が一日中同じ生徒たちと過ごし、水泳を含む全ての教科を教えている点です。また、生徒たちがクラス全員揃って教室で給食を食べることも違う点です。自分たちで配膳をし、全員席に着くまで待ち、揃って一斉に食べ始めました。生徒たち自身が自分たちの教室や学校内の掃除をしている点も私の学校とは違っています。生徒たちの自立心そして公共心の育成が垣間見え、素晴らしいと感じました。
私にとって2泊3日のホームステイは緊張しつつも楽しみな体験でした。どのようになるか予測不可能でしたが、ホームステイの家族に出会った途端に、気持ちが楽になりました。一緒にご飯を食べたり、花火をしたり、外でバーベキューをしたりと、彼らは私を家族の一員のように迎えてくれました。彼らは、私が奈良での時間を快適に過ごせるようにもてなしてくれました。食事に連れて行ってもらった際には、なるべく色々な食べ物に挑戦しました。家ではかわいい子供たちとゲームをして遊びました。それはまるで私のアメリカの家族と時間を過ごしているようでした。ホストファミリーの方々は英語が少ししか話せなかったので、身振り手振りで伝えたり、翻訳機を使用したりしました。周りの人たちは自分とは異なる言語しか話さないという状況に置かれることに対して、改めて理解ができました。どのように伝えればいいのかとお互い探りあったり、写真を見せて自分の言いたい事を伝えようとしました。
このプログラムに参加できたことによって、私の考え方は大きく変化しました。私の学校に日本から新しい生徒が来たら、今回学んだことや、日本とアメリカの同じ点と異なる点を共有しようと思います。今回の経験から得ることができた新しい視点・考え方を、学校関係者や保護者に伝えていくつもりです。このような素晴らしい機会を与えて下さり、私は人としても教育者としても成長することができました。この思いやりに溢れた経験を私は一生忘れることはありません。