ずっと自由に

豊田 淳さん 山善

爽やかな季節を引きこもりで感じられずに、味気ない部屋で黙々と仕事をしている?還暦を超えた駐在員です。駐在歴もうすぐ30年です。わけがありシングルです。子供たちは既に働いており、糸の切れた凧のような自由人になりました。後は残り数年を将来の人達の為に役立つ事をやるだけです。

私の趣味を紹介させていただきます。物心ついた時から我慢弱く、飽きっぽい性格の私ですがいくつかの事に関しては今まで続けて来ています。仕事はさておき、ゴルフ、乗り物、読書、と言ったところです。最近は体に悪そうな一人飯を作るのも楽しみになってきました。脂、粉もの、肉を中心にしたお子様が喜ぶレパートリーです。単品を作り、サイドメニューは無し、野菜サラダなどはもってのほかです。野菜は毎朝タブレットで摂取しております。主食はビールです。おかげさまで、ぶくぶくといい感じに膨らんできまして気が付いたら筋肉の無いあんこ型の力士みたいなお腹になってきました。得意料理については次回また紹介させていただきます。

今回は食べ物ではなくて乗り物についてお話をします。アメリカでは自動車は必需品です。私は気合の入った車が好きなのですが、厳しい部下の管理責任者が決めた厳しいルールで2ドアはだめとかポルシェはダメとかで見た目はごく普通の4ドアセダンに乗っています。しかしながら、心臓部は600馬力、羊の皮をかぶったオオカミというやつです。ただ安全運転をモットーにしているので羊が乗っているオオカミと言ったところです。乗車希望の方がいらっしゃったらご連絡ください。プチドライブにお誘いさせていただきます。

乗り物の中でも一番好きなのはオートバイです。学生時代は原付、社会人になり400ccのバイクに乗っていましたが、長男の誕生で一家の大黒柱が危険な事は行けないという事でやめていました。今から10年ほど前、台湾転勤になった時に丁度その長男が就職という事でバイク解禁です。最初はベスパというスクーター。そしていつかはハーレーという夢をかなえてハーレー購入です。台湾は山あり海ありとバイカーにとってはなかなかの場所です。日の出と共に起き出し、バイクにまたがり山を越えて海を目指します。途中でテレサテンのお墓に立ち寄ったりしながら海沿いの道を風に吹かれて帰ってきます。大体150キロくらいの行程を4時間くらいで走ります。峠道では下り坂で自転車や、スクーターのおばさんに追い抜かれながらのポンコツツーリングです。よくハーレーで群れて走る人たちがいますが、私は群れません。バイクはあくまでも気ままで自由な世界なのです。

台湾での最後の駐在生活を満喫していた私に突如2回目の米国勤務が巡ってきたのは5年前の事です。ハーレーの本拠地です。早速ネットでまず買ったのはヘルメット。それを眺めながらビールを飲んでるうちになぜかオークションで883というハーレーの中では小型で、足の短い人も乗れるバイクを買ってしまっていました。アイオワまでバイクを取りに行き400キロの道のりをバイクでイリノイまで帰ってきました。さて継続して乗る為にはアメリカの免許が必要です。これが車免許と比べて意外に難しく、一本橋、八の字、急制動、小回りなどを狭いコースで行います。なんとか免許をとってバイク生活を始めたのですが、ここはバイカーにとってつらい場所です。冬は乗れません。春先は道が穴だらけで危険が一杯です。山がありません。カーブがありません。まっすぐです。大好きなゴルフと季節が重なります。駐車場、保険などの維持費が高いです。

というような事情から、還暦を機に大好きなバイクを売ってしまいました。退職して日本に帰ったら3輪スクーターとスポーツカーを買って、日本全国を旅するのがささやかな夢です。