コロナ禍だからこそ、 シカゴの食生活を楽しもう!

西澤 知史さん ジェトロ・シカゴ事務所

私が家族と共にシカゴに赴任してから、早くも2年が経とうとしています。着任後わずか3か月後、誰しも予想だにしなかったコロナ蔓延の可能性を告げるトランプ元大統領の緊急記者会見に私は目を疑いました。未曾有のパンデミックがこの国を襲うんだと実感した瞬間でした。当時は事態の収束に数か月、1年程度という安易な予測も出回っていましたが、感染者は日を追うごとに増加。2021年に入り、ワクチン接種率の向上と共に経済活動も社会生活も徐々に再開しました。しかし、デルタ株への恐怖は拭いきれず、今や米国の累計コロナ感染者数は4,000万人に迫る勢いです。

そんな厳しいコロナ禍の我が家の唯一の楽しみは「食べること」でした。ただ、パンデミックに入ってから半年ほどは、目に見えないウィルスへの恐怖から、我が家はテイクアウトさえせずに、ひたすら家での食事を貫きました。妻は毎日、朝から三食、子供や私のためのメニューを悩み、実際の料理も含めて本当に大変な思いをしました。頭が上がりません。そんな「家食」生活も半年が限界でした。思い起こせば、初めての外食はマックのテイクアウトだった気がします。我が家はそれを機に、テイクアウトやアウトドアでの食事を少しずつ始めました。行動が制限されるコロナ禍だからこそ、シカゴでの食生活を目一杯、楽しむことにしたのです。

この場をお借りして、我が家のコロナ禍での食の楽しみ方や、我が家の知るシカゴの「名店」をご紹介しますので、読者の方の中で「こんな楽しみ方やおいしいお店があるよ!」という耳より情報をお持ちの方がいらっしゃったら、ぜひ
教えてください!

Whole Foodsのデリバリー( 食材調達)
www.wholefoodsmarket.com
家食を貫いていた半年間、感染予防から、スーパーに出向いて買い物するのも極力制限していたので、Whole Foodsのデリバリー( アマゾン経由)には本当に助けられました。携帯のアプリ一つで生鮮食品から加工品まで全ての買い物が完結し、たった数時間後には家の前までデリバリーされる便利なシステムに我が家は感嘆しました。コロナ禍におけるデジタル化の恩恵を実感する瞬間でした。我が家のWhole Foods のおすすめアイテムは、なんと言っても、リブアイステーキとラムチョップです。BBQで焼いて食べたら、どんなうっぷんも晴れちゃいますヨ!

Up Town Café
24 E. Miner St., Arlington Heights, IL 60004( ※ウェブサイトなし)
王道アメリカン・ブレックファーストであれば「Up Town Café」がおススメです。METRAのアーリントンハイツ駅のすぐ北側にある家族経営のレストランです。そのアットホームな雰囲気と店員さんの親切さ、飽きの来ない味が病みつきになってパンデミック前から虜になっています。パンケーキにフレンチトースト、サンドイッチなど、どれもハズレなく美味しいですが、私のオススメは、ボリューム満点の具沢山オムレツです。オム
レツの種類も沢山ありますので、ぜひご自分の舌でお気に入りの逸品を見つけてみてください。

Asian Bistro
http://asianbistro.biz
アメリカンの味に飽きた時は、やはり中華ですよね。店主のお母さんが四川省出身で、アメリカにいながら本格的な四川料理が楽しめます。ミツワ近くのアーリントンハイツロード沿いにあるので、アクセスも良好。「あなたはこのお店を知っていて幸せだよ」とは店主談。味はこの強気発言を裏付ける美味しさです。四川ですから麻婆豆腐もおすすめですが、辛い物が大好きな方にはLa Tsi Chicken(香辣子雉)やMa La Lamb( 麻辣羊肉)な
どが、きっとツボにはまるはずです。口から火を噴きたくなる辛さですので、ご注意ください。

Lawrence Fish Market
https://lawrencefish.com
日本人であれば、時に日本の寿司も恋しくなりますよね。でも美味しいお店は高かったり、安いお店に行くとフュージョンだったりで、なかなか満足できないもの。そんな悩みに答えてくれるのがこのお店です。シカゴ市北部を東西に貫くLawrence沿いにあるこのお店のオーナー兼シェフは日本人。テイクアウトが専門で、お店にピックアップに行けば10 人近くいる「板前さん」達はフル回転。必死にお寿司( にぎり、巻物)を握り続けています。お客さんはローカルな人もかなり多い印象ですが、味は本物です。30‐40ドルも出せば、大人2‐3人は軽く満腹になるほどです。私のオススメは、MakiTrayのA2です( 気になる方はウェブサイトからメニューをご覧あれ)!!

Yoshi’s Café
www.yoshiscafechicago.com
言わずと知れたシカゴ・ダウンタウンの名店。初代オーナー兼シェフだったYoshi Katsumura さんが1982年にお店をオープン。2015 年に他界された後は、息子のKenさんがシェフを務め、お母様のNobuko さんと共にお店を切り盛りされています。パンデミックが始まって以来、我が家の家族全員が一緒に、初めてシカゴのダウンタウンで食事をしたのは、このYoshi’s Café でした。我が家にとって非常に思い出深い場所です。和と洋の入り混じった独創的なメニュー構成は感嘆の一言。どれを食べてもため息がでるほどの美味しさです。Nobukoさん、今度お邪魔した時はAllen Brothers Wagyu Double Patty Smash Burgerを頂きたいと思っています!