コロラドでのスキーとリフトチケット
コロラドでスキーして驚いた、リフト券一日$335とヘルメット文化
シカゴの冬は厳しく、氷点下20度以上まで下がる日もあります。雪も降りますし、寒さも長く続きます。私はスキーが好きなので、冬そのものは嫌いではありません。ただ、シカゴ近郊のスキー場はどうしても規模が小さく、山の雄大さや滑走距離という点では少し物足りなさを感じます。以前は近場のスキー場にもよく通っていました。しかし近年は、中西部の小さなスキー場でもリフト1日券が100ドルを超えることが珍しくありません。それならば、近場で何度か滑るより、思い切って年に一度コロラドまで行き、本格的な山で滑ろうと考えるようになりました。
アメリカのスキー場は「春に来年の商品を売る」
春になると、アメリカのスキーシーズンは終盤を迎えます。しかし、スキー業界ではすでに来シーズンの販売が始まっています。アメリカの大手スキー場では、春先からシーズンパスの販売を開始し、早く買うほど安く、シーズンが近づくにつれて値上がりする仕組みが一般的です。航空券の価格設定に近いイメージです。私は2025年3月に、約683ドルで来シーズン用のローカルパスを購入しました。(前年に利用したことで100ドルほどの割引がありました。)このパスは、一つのスキー場だけでなく、複数の有名リゾートで使えるシーズンパスです。コロラド州のBreckenridge Ski Resort や Vail Ski Resortをはじめ、カナダの Whistler Blackcomb、さらに日本の提携スキー場でも利用できる場合があります。また、中西部ではイリノイ州近郊の Wilmot Mountain でも使えます。シーズン中、何度でも滑れるのが魅力です。
1日券は$335、3日で元が取れる計算
2026年2月、コロラドでスキーをした際、試しに Vail Ski Resort の当日券価格を確認してみました。なんと、1日335ドルでした。もちろん時期や需要によって変動しますが、日本の感覚からするとかなり驚く金額です。単純計算すると、3日滑ればシーズンパスの元が取れてしまいます。
なぜシーズンパスは安いのか
では、なぜ当日券は高く、シーズンパスは比較的割安なのでしょうか。
理由の一つは、スキー場側が早い段階で収入を確保できるからです。春から秋にかけてパスを販売することで、冬が始まる前に来季の売上見通しを立てやすくなります。また、シーズンパス保有者が、
• どのスキー場を利用するのか
• 何月に来るのか
• 平日か週末か
• レストランやレンタルを使うか
といったデータも把握しやすくなります。現代のシーズンパスは、単なるリフト券ではなく、マーケティングツールでもあるのです。
コロラドのスキーは、日本では味わえないスケール
コロラドのスキー場の魅力は、何と言ってもスケールです。標高3,000メートル級の山々、広大なゲレンデ、どこまでも続くようなロングラン。日本にも素晴らしいスキー場はたくさんありますが、コロラド特有の雄大さはまた別の魅力があります。その一方で、当日券価格も“アメリカらしいスケール”です。もしアメリカで本格的にスキーをする予定があるなら、早めにシーズンパスを検討する価値は十分にあります。
もう一つ驚いたこと– 全員がヘルメットを被っている
コロラドでスキーをして、日本の友人に写真を送ったところ、別の意味で驚かれました。「みんなヘルメットを被っているね」確かに、現在のアメリカのスキー場では、ヘルメットを着用していない人を見ることはほとんどありません。中西部でも、コロラドでも、ほぼ全員が着用しています。しかし、昔からそうだったわけではありません。1990年代、私がアメリカ東部・中西部・コロラドで滑っていた頃は、ヘルメット着用者の方が少数派でした。アマチュアレースでも義務ではありませんでした。その後、子どもたちを連れて再びスキー場に戻った2000年代後半、状況は大きく変わっていました。スキースクールではヘルメット着用が強く勧められ、競技でも着用義務が広がっていました。親子で慌ててヘルメットを買いに行ったのを覚えています。
法律ではなく、「文化」として定着した安全意識
興味深いのは、アメリカの多くの州で、スキー時のヘルメット着用は法律で義務付けられているわけではないことです。それでも広く普及したのは、
• 頭部外傷への意識向上
• 子ども向けスクールでの推奨
• レンタル店での標準装備化
• 家族全体の安全意識の高まり
といった理由が重なったからでしょう。つまり、法律ではなく、文化として定着したのです。
自分の安全は、自分で守る
アメリカで生活していると、「自分の安全は自分で守る」という考え方を強く感じます。スキーでも、自転車でも、オートバイでも、最終的に自分を守れるのは自分です。リフト券の価格にも、ヘルメット文化にも、アメリカ社会の考え方がよく表れているように思います。
